妊娠線とは?

妊娠線とは?

妊娠線とは、出産を経験した女性の肌に残る線状斑を言います。なぜ、妊娠線はできてしまうのでしょうか。

 

妊娠すると、お腹の中の赤ちゃんが育ってくるにしたがってお母さんのお腹はせり出してきます。お腹だけではなく、乳房も母乳が出る準備を始め、豊かに膨らんできますし、体を支える太ももや、おしりもふっくらと肉付きが良くなってきます。太くなった体の皮膚は引っ張られて伸びていきます。イメージとしては、風船が膨らんでいくような感じです。

 

皮膚は、表面を表皮といい、その下に真皮、皮下組織と三層に分かれています。表皮は伸びやすいのですが、真皮や皮下組織は急激には伸びることができません。柔軟性のない皮下脂肪などの影響も受けますから、伸びやすいところとそうでないところがあります。真皮や皮下組織が伸びることのできる限界を超えて皮膚が引っ張られると亀裂ができてしまいます。その裂け目が、表皮を通して赤紫色の線状に見えるのです。

 

妊娠線がもっともできやすいのはお腹ですが、皮膚が伸びているところではどこでもできてしまいます。胸やおしり、太もも、むくみやすいふくらはぎにもできてしまう人もいます。でき方も人それぞれですが、2〜3本だけですむ人から、お腹や胸全体にできてしまう人までいます。

 

妊娠期間はホルモンのバランスが崩れて、肌が乾燥しやすくなっていますから余計に肌は弱くなって、妊娠線は生じやすくなっています。赤紫色の妊娠線はやがて白銀色に変わり少しは目立たなくなりますが、妊娠線はできてしまったら完全には元には戻らないといわれています。できないようにすることが大切です。

妊娠線ができ始める時期は、早い人はお腹が大きくなり始める4ヶ月ごろから、一般的にはつわりが終わって食欲が増してくる6ヶ月ごろからと言われています。この頃から、お母さんのお腹もどんどん目立ってきて、同時に、それまでつわりでむしろ減っていた体重が増加に転じます。

 

妊娠線ができる原因はお腹などの肌が引っ張られることですから、体重が急激に増加しているときがもっともできやすいといえます。つわりが終わる時期や食欲が増して体重が増加してくる時期は人それぞれ違います。また、徐々に増加してくる体重に対しては、皮膚も少しずつ伸びてきますから妊娠線はできにくいのですが、急激な体重増加が起こると引っ張られる力も大きくなり、妊娠線ができやすくなります。体調が良くなり食欲が増してきたら、妊娠線ができやすい時と意識しましょう。

 

妊娠中期以降は、いつ妊娠線が現れても不思議ではありませんから、日常的に肌のケアをしてください。乾燥は肌の柔軟性を奪いますから、保湿に努めます。また、体重チェックをこまめに行い、急激な増加を防ぎます。

 

妊娠後期、臨月が近くなり出産も間近と安心した途端、妊娠線ができてしまうこともあります。赤ちゃんは、妊娠8ヶ月から臨月にかけて急激に成長します。その時期には、皮下脂肪も蓄積されてきますが、皮下脂肪は柔軟性がなく妊娠線を生じさせやすくしてしまいます。肌もまた、精一杯伸びているときですから、まさに、最後の最後まで気を抜けません。出産時のいきみでできてしまう人もいますから、出産が近づくほどに、妊娠線予防クリームなどで頻繁にケアを行ってください。

妊娠線ができやすいところは、肌が伸びているところ、特にお腹全体、乳房、太もも、臀部です。この部分は、特に脂肪がつきやすいところでもあります。赤ちゃんが育つにしたがってお母さんのお腹が出てきますが、前へ、というよりも、全体として膨らみは下のほうが大きくなります。人にも重力が働いていますので、当然のことと思いますが、足の付け根の少し上からポーンと前にお腹は突き出てきます。

 

当然、そこの肌は引っ張られて伸びています。とても妊娠線ができやすいところです。ところが、ここはお腹が大きくなると自分では見えにくくなってしまい、できていてもなかなか気がつかないことも珍しくありません。

 

同じく足の付け根から太ももも、臀部も、見えづらいところですが、大きくなるお腹を支えるために、お母さんの下半身もしっかりしなければなりません。大きくなる、すなわち肌が引っ張られて妊娠線はできやすくなります。鏡などでこまめにチェックしましょう。

 

次に、乳房です。赤ちゃんの成長とあわせて、お母さんの体は母乳を出す準備を始めていますから、胸はどんどん膨らんでいきます。乳房全体もずっしりしてきます。乳房を取り囲む肌も、この変化についていこうとしていますが、大きくなる速さに間に合わなくて妊娠線ができてしまうことも多いのです。

 

肌も妊娠時の体の変化に対応しようと、がんばっています。けれど、ホルモンバランスの変化などで乾燥しやすくなったり、敏感になって痒くなってしまったり、マイナスの変化も起こっているのです。女性にとって産後も消えない妊娠線は、できることなら作りたくないものです。けれど、できる前からのケアで、だいぶ妊娠線は防ぐことができます。お手入れをこまめにして、がんばっている自分の肌を応援してあげましょう。

妊娠線ができやすい人、といっても、妊娠しているときは、全員がそうなのです。そうはいっても、いくつかのできやすい条件を見つけることはできます。もし、自分がその条件に少しでも当てはまれば、より注意深くケアをして妊娠線の生成を防ぐことができるかもしれません。

 

まず、もともと太り気味で、皮下脂肪が厚い人にはできやすいようです。皮下脂肪は弾力性がないため、引っ張られてもなかなか伸びることができなくて裂けてしまうことが多く、妊娠線ができてしまいがちです。急激な体重の増加を防ぐ上でも、脂肪分が多い食べ物は慎んだほうがいいようです。

 

次に、双胎以上多胎の人。当然、子宮も大きくなりますからお腹も出てきます。経産婦も妊娠線ができやすいと言われています。一度出産を経験しているので、子宮が伸びやすく、急激にお腹が出てきやすいので、肌の伸びもついていけなくなるのでしょう。小柄でお腹が出やすい人。小柄だと骨盤も小さくて、赤ちゃんの居場所を前へ前へと確保していくしかありませんから、お腹も前へ前へと出てきます。

 

一方、お腹はあまり出ていないのに妊娠線ができてしまう人も珍しくありません。ひどいつわりがずっと続いて、出産するまであまり体重も増えていないという人でも、栄養状態が悪いと、ほんの少し肌が引っ張られただけでも妊娠線ができてしまうことがあります。また、乾燥肌の人も、肌の柔軟性が少ないので引っ張られてしまうと亀裂が入りやすくなっています。

 

上の条件に当てはまる人は早めのケアを心がけてください。

妊娠線はできたばかりのときは赤紫色で、幅は2ミリから3ミリ、長さはいろいろですが5センチから長いものは15センチくらいのものもあります。初めて見たときは、びっくりするくらい、肌の中で異質な形状です。何しろ、白い肌の中にくっきりと赤紫色の太い線が走っているのです。触ると周囲の肌よりへこんでいます。まっすぐではなく、よく見るとぎざぎざで、ちぎれた短い線の連なりのようです。

 

何本もの妊娠線が一気にできてしまうことも珍しくありません。妊娠後期になると特に、昨日まで一本もできていなかったのに、お腹一面に出てしまったということまであります。何本もの妊娠線ができると、肌の表面はでこぼこになってしまい、お腹はまるでスイカのような模様になってしまいます。

 

出産後、しばらくはたるんだ皮膚の中で、妊娠線は黒っぽいしわのように見えます。子宮の収縮とともにお腹の肌も引き締まりもとの張りを取り戻していくのですが、妊娠線が消えることはありません。

 

妊娠線の色は時間の経過とともに枯れてきます。表皮の下の皮下組織が破れてしまっている妊娠線は鮮やかな赤紫から、次第にくすんでいって、産後は白くなります。肌の中に埋もれて目立たなくなる白ならばいいのですが、白銀色になって光を受けるとテカリが出ます。水着になったときに露出する場所の妊娠線の跡はとかく気になり、目立つように感じるものです。

 

といっても、赤ちゃんが生まれたばかりのお母さんは忙しくて、そればかり考えてもいられません。授乳するときや入浴するときに、「あっ」と思い出すくらいでしょう。妊娠線は消えませんが、日を重ねていけば確実に薄くなってきます。妊娠線予防のマッサージクリームをきちんと塗って、太り過ぎないように体重のコントロールをしつつ、できてしまったものは、あきらめも肝心です。

一度できてしまった妊娠線は、残念ながら元に戻すことはできません。軽度なものならば、産後のケアをしっかりすればだいぶ目立たなくはなりますが、完全に消えることはありません。できたときは赤紫色ではっきりと見えてしまう妊娠線ですが、時間が経つにつれて黒ずんだ色から徐々に白っぽい色になって目立たなくなってきます。それでもぼこぼことした凹凸と、薄くなった肌のテカリは残ります。

 

妊娠線ができた位置によっては、ミニスカートや水着を着たときに見えてしまうことがあります。女性はやはり美しくありたいと常に願うものですから、妊娠線が残ってしまうことは避けることができればそれに越したことはありません。できてしまうにしても、最低限に抑えたいものです。

 

やはり妊娠線ができてしまう前からの予防が大切でしょう。肌が伸びて引っ張られすぎないようにするには、まずは急激に太らないように体重管理が必要です。また、引っ張られてもしなやかに伸びる柔軟性のある肌になれるよう、潤いを与えるお手入れを毎日欠かさず行いましょう。

 

ところで、「太らない」と「食べない」は、妊娠期において全く違います。必要以上には食べないように気をつけながら、きちんと栄養を取れる食事をしなければなりません。栄養が取れていなければ肌も弱くなってしまい、少しの引っ張る力でも妊娠線はできてしまいます。

 

とはいえ、妊娠線はできてしまっても、病気でもなく何か特別に困ったことが起こる訳でもありません。できてしまったときは、「ま、いいか」くらいの気持ちで受け止めてください。できたときのショックは大きいと思いますが、確実に薄くなるものですし、何より赤ちゃんが育ってきた証でもあるのですから。